| HOME | Stories of The Rain | 第六章 |

更新日 2015-08-06 | 作成日 2007-09-15

Stories of The Rain

夢見るころを過ぎても

第六章 作品としてのCD

written by Akio Hosokai

dummy_028.jpg 前章までは54歳までのヒストリーでした。この章からは現在進行形でThe Rainの生き様を紹介していこうと考えています。よろしく!

 「記録じゃなくて、作品としてのCDを作ろうぜ!」練習後の飲み屋で、誰とはなく言い出して、誰とはなく賛成した。そう言えば、過去のLiveや練習時に、各自が勝手に、ただ何となく録音した「個人的な記録」は、はいて捨てるほどある。しかし、"一つ一つの音"を大切に扱ったものは、我々は、一つも持っていなかった。35年間バンドをやっていて、"作品"と呼べるものがなかった。

 「微妙に合わねぇなぁ」、今まで、これほど真剣に取り組んだことはなかったかも知れない。ガキの頃から「Liveでの身勝手なノリ」に慣れきっているせいか、一人一人別々に録音して、それを再生してみると、リズムが微妙に合わない。メンバーの一人が「そのための機材」を購入したものだから、よけい、アラが目立つ。初めての試みとして、Original CD を作るためにスタジオで悪戦苦闘している、The Rainの哀れな姿...。平成18年の春のことである。

 晩秋になってもCDは完成していない。"ロックじじい"にとって、CD作りは予想以上に難しい。ライブ以上に、テクニックはもちろん、音楽的センスやエネルギーや情熱が必要になってくる。しかし、諦めたわけではない。じっくり時間をかけて、絶対に完成させる意気込みでいる。なぜなら、夜中の書斎で自分たちの演奏するCDを聴きながら、一人悦に入ってグラスを傾ける。そんなことが、したくなったから。酒の肴は、あん肝だな...56歳、還暦まで、あと4年...。

 そうこうしているうちに、そろそろ、高齢の、いや恒例の「Live」の時期が迫ってきた。やっぱ、Liveはいい!聴いてくれる人がいることはすばらしい。バンドがのればお客さんものるし、お客さんがのればバンドものる。核融合だ。だから、Liveは続ける。今年のLiveは、某大学院生の女性ボーカルがフル出場する予定。シンディー・ローパーのような感じで、ロックっぽい。"縦のり"のできる娘。ただ、我々の演奏するカバー曲を「しらな〜い!」って言うんだよね。ジェネレーションギャップ。んで、ただいま、猛特訓中!本番をお楽しみに...。