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更新日 2015-08-06 | 作成日 2007-09-15

Stories of The Rain

夢見るころを過ぎても

第十章 ちょっと「たんま!」

written by Akio Hosokai

dummy_005.jpg2007年の年末LIVEは12月8日に無事終了した。アンプ(DI)とサンズアンプの相性が悪く?ベースが生音になるというトラブルはあったが、演奏していて楽しかったというのは久しぶりだった。システムを飲み放題に戻したということもあって、お客さんのノリもそれなりに良かった。大成功!…そう思ったぜ、あの時は…。

そのステージの一部始終をデジタルビデオで撮っていた男がいた。ゲストバンドJINJINのキーボード・げんちゃん。RAINのメンバーはビデオを見て、聴いて、顔色を失った。
速い、速すぎる。んで、走るだけならまだ良いが、縦のテンポがバラバラなものも何曲かある。全ての曲が問題だというわけではないが、第6章で書いた恥部が、ものの見事にLIVE本番で露呈してしまった。やべ!

RAINというバンドは、演奏を反省したり改善策を論じる時は、必ず酒席で実施してきた。昔からそうだった。今回は、銀座「アドリア」でのバンド忘年会が、その主戦場になった。
「何でバラバラなんだべ?」…いろいろな意見が出た。音楽理論に基づく理路整然とした意見もあったが、そこはRAIN!…「自分の演奏に精一杯で、他人の音やバンド全体の音にまで気がまわらねぇ!」という辺りに落ち着いた。いや、俺は、けっこう正解だと思うよ。
いわゆる新曲に問題が集中している…というのも、その辺を物語っているわけだし。

常連客のバーボンが我々のグラスに注がれ始めたころ、練習方法の改善策と2008年の方針が確認された。とにかく、元曲のリズムとメロディーラインを徹底的に身体になじませる。それには、素直に聴き込むしかない。スタジオ練習ではそのつど録音し、その場で全員が聴き直す。良いところと悪いところを認識する。面倒くさいが至極当然。目標としては、演奏中に異変や問題を認識できるようになること。そして一曲一曲を丁寧に仕上げていく。6名のメンバーが揃って、それで初めてTHE RAINになる。自分の音がバンドの音を作り出すのではなく、バンドの音の中に自分の音がある。そう考えなければならないのだろう。一段落するまで新曲には手をつけないし、もう、夏のジャムセッションは実施しない。

正月の読売新聞「編集手帳」に、「たんま」に関することが書いてあった。THE RAINも、ちょっと「たんま!」ってとこかな。我々の演奏の全てが問題なのではないし、個人個人のテクニックをどうこうしようというのではない。要は、バンドとしてのレベルを上げていきたい…ということ。しかし、ガチガチになりすぎて、演奏する楽しさを見失っては、元も子もない。Rock Bandの楽しさ、LIVEの楽しさ、これは忘れない。ただ、今以上の楽しさに接したい。LIVEに来て下さった皆さま、乞うご期待であります!
きっと2008年の年末LIVEでのThe Rainは、今までになくノッテイルことと思います。