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更新日 2015-08-06 | 作成日 2007-09-15

Stories of The Rain

夢見るころを過ぎても

第二十七章 老人と海

written by Akio Hosokai

bind_free087.jpg小学生の時に家族で行った海の家、中学生の時に親友と張った浜辺のテント、高校生の時に行った断崖絶壁の海、大学生の時の真夏のライヴハウス、社会人になって恋人と行った広い砂浜…その恋人が女房になっても数えきれないほど行った海。
海はいいな。特に白砂の浜辺。暑くなると海に入って、ほとんどゴロンとしていればいい。
昼間からビールを飲んで、その空き缶に煙草の吸殻を入れてさ。横を見ると、愛する女がいてさ。
この歳では、もう海には行けないかも知れない。秋の寂しい海ではなく、あの夏の海に。
もう一度、行きたい。なにより日焼けを嫌がる女房と、もう一度、行きたい。

平成24年の9月の日曜日。太平洋高気圧がいまだに元気で、東京は青い空に、海で見られるような純白の雲がかかっている。

さて、感傷に耽ってないで、前向きに動かねばならん。こういう時、俺は何をするのかというと、いつもバンドの練習。

今年は「ZZ Top」に凝っている。ライヴでは3曲も演奏する。一時「Georgia Satellites」に凝って、やはりライヴで3曲やった時もあった。The Rain って、そういうバンド。
特に「Sharp Dressed Man」がカッコイイ。TASCAMのCD-BT1MKⅡにCDをセットして低音を絞る。Fender Jazz Bassに「EBS Multi Comp」と「SansAmp」と「Bass Chorus」をつなぐ。やがてギターのカットとシンプルなドラミングが聴こえる。3フレ目でBASSが入ってくる。いや俺が入れているんだけどね。もう、気持ちはZZ Top。あっという間に、ラスベガスだかどこかのステージで、色っぽいダンシングチームが出てくるあの場面の中に俺がいる。
いや、いいんじゃねえの?ヌメヌメしたベッドシーンの中に自分がいるわけじゃねえし。健康的だねえ。それこそ、こういうことに血道を上げることができて、俺、幸せだぜ。

そんなことをしているうちに、アドレナリンがいっぱい出てきた。今年のライヴは、けっこうロックだぜ。「蝋燭は消える前にパッと燃える」なんて言わせないぜ。あんまり「ぜ」を使うと杉ちゃんみたいだが、あいつの方が二番煎じだ「ぜ」。ライヴでもアドレナリンをいっぱい出すよう頑張るし~。そうだ、サヴタイトルは「アドレナリン ライヴ」かあ?
ライヴは、12月8日(土)午後3時から午後6時。東京新宿歌舞伎町の、キャロルハウス改めメモリーズが会場。お客さん達だって、もう決して若くはないでしょう?たまには、ハメを外して大騒ぎしましょう!俺達、まだまだ、行けまっせ!